Maison de Pontomarie

刺繍作家Pontomarie浅賀菜緒子の刺繍と日々の徒然便り
2010/06/23

花空庭園

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先日、ルドゥーテの薔薇の記事で澁澤龍彦氏のフローラ逍遙を紹介
しましたが、この本には続編とも言ってよい本があります。
それがこの荒俣宏氏の花空庭園です。

澁澤龍彦氏が弄筆百花苑なる連載を始める際、荒俣宏氏に挿絵に使う
植物図を頼んだそうです。それが改題されたフローラ逍遙です。
その後、澁澤龍彦氏が第二の花の本を書かれる際、喜んでもらえる傑作を
手渡せるようにと、荒俣氏は更に植物図譜を蒐集し始めたそうです。
しかし、澁澤龍彦氏は、その蒐集した図譜を見る前に、他界されて
しまいました。この本は荒俣氏が澁澤龍彦氏に捧げた美しき一冊なのです。


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フローラ逍遙同様、美しい装丁の箱に入れられた本は、群青色の
布張り。花空庭園へようこそ、というプロローグには、
 
 ここは、架空の花ばなにあふれたイメージの花壇、こころの春を
 楽しむべきところ。わたしは蜜を吸ってくらす蝶や鳥にかわって、
 花園ぐらしのよろこびを語りたい。


と、あります。氏の言葉通り、様々な花の挿話が美しい花の図譜を
眺めながら読む事が出来ます。ちなみに、この本最後の章は
「ルドゥーテ薔薇物語」です。

私は花の刺繍がとても好きなので、自分で刺す時の為にも、美しい植物図を
絶えず探している所がありますが(;´∀`)、このように花にお話が添えられて
いると、ますますその花の世界に惹き込まれて更に想像が膨らみます。




2010/05/20

透き通った本当のたべもの

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子供の頃に出会って以来、大人になっても変わらず大好きな宮沢賢治
星や鉱物、音楽や動物達、それ等を好きになったのも彼の描く世界からの
影響が大きかったと思います。彼は童話の序文でこんな事を言っています。


わたしたちは、氷砂糖をほしいくらいもたないでも、きれいにすきとおった
風を食べ、桃いろのうつくしい朝の日光をのむことができます。
またわたくしは、はたけや森の中で、ひどいぼろぼろのきものが、いちばん
すばらしいびろうどや羅紗や、宝石いりのきものに、かわっているのを
たびたび見ました。
わたくしは、そういうきれいなたべものやきものをすきです。
これらのわたくしのおはなしは、みんな林や野はらや鉄道路線やらで、
虹や月あかりからもらってきたのです。
ほんとうに、かしわばやしの青い夕方を、ひとりで通りかかったり、十一月の
山の風のなかに、ふるえながら立ったりしますと、もうどうしてもこんな気が
してしかたないのです。
ほんとうにもう、どうしてもこんなことがあるようでしかたないということを、
わたくしはそのとおり書いたまでです。
ですから、これらのなかには、あなたのためになるところもあるでしょうし、
ただそれっきりのところもあるでしょうが、わたくしには、そのみわけがよく
つきません。
なんのことだか、わけのかわらないところもあるでしょうが、そんなところは、
わたくしにもまた、わけがわからないのです。
けれども、わたくしは、これらのちいさなものがたりの幾きれかが、おしまい、
あなたのすきとおったほんとうのたべものになることを、どんなにねがうか
わかりません。

私にとって、宮沢賢治の詩や童話は彼の願う
「すきとおったほんとうのたべもの」でした。
そういうものをつくれたらと、私もどんなにねがうかわかりません。



2010/03/19

不思議の国のアリス

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アリス、女王気取りの生意気で奔放な様子、想像力に溢れ好奇心旺盛、
この魅力溢れる少女と出会えた事は、私に大きな影響力を与えました。
そして今もなお変わらず。何度読んだか分からないくらいです。
ユーモアやなぞなぞ、造語、ナンセンスな世界なのに夢があって、
残酷なのに愉しくて、この純粋な空想の世界が私は大好きです。


alice04

アリスの魅力の虜となった作家やアーティストも多く、私の大好きな監督
ヤン・シュヴァンクマイエルも「アリス」という長編映画を撮っています。
この素敵なABELARDO MORELLの写真もそのひとつ。

想像力の源泉となり、人々を魅了する不思議の国。私もいつか、私なりの
アリスの世界を刺繍で作ってみたいとあれこれ妄想します。そして、この
素晴らしい空想力を持った作者ルイス・キャロルが、子供達にせがまれる
まま、彼女達を愉しませる為に作った、というきっかけが、この類い稀な
不思議の世界を誕生させたと思います。私はその事にもとても惹かれます。
こういう人の存在が、常に私に色々な事を教えてくれます。


alice06

物語に入る前に小さな詩が書かれていますが、そこからもう既に
不思議の国に誘われます。

”女王きどりで年上の子はその勅令を
「さあはじめて」と布告してやめず、
ふたりめは、もっとやさしい声でせがむのだ、
「おもしろいお話でなくてはいや」と。”


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”やがて、にわかに口をつぐむと、
みんなは夢見ごこちになって、
あらあらしくて新しい魔法の国を通りつつ、
夢の少女のあとを追った。
小鳥やけものとしたしくおしゃべりを交わしつつ、
なかばはそれがほんとうと思ったのだ。”


alice13

アリスのお話の中には沢山の奇妙な動物達が登場しますが、
私はこの絶えずおかしな会話ばかり繰り返す動物達が大好きです。
空想の世界ならではの自由さに溢れていますし、実際に動物達が
おしゃべりをしている様子を想像するのは、私自身最も愉しい空想の
ひとつです。


alice7

”アリス!この子どもらしいお話を、お受け、
そしてやさしい手で
置くがいい、子どもの夢が、思い出の
神秘なきずなにつながっているあの場所に、
巡礼がかぶるしおれた花の花かずらが
はるかな国で、つまれたように。”


書いているうちに、私自身が一番読みたくなってしまいました(ノ´∀`*)アー
今夜ベッドの中でまた本をひらきましょう。





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ポントマリ

Author:ポントマリ

刺繍作家 浅賀菜緒子(ポントマリ)
横浜在住。
刺繍の製作過程や、刺繍にまつわるetc、
ライフワークを綴っています。

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